ピアース・ブロスナンのボンド降板後一本目の作品は超王道のコメディ・クライム。
世界に三つのナポレオンのダイアモンドを巡る、最後の攻防戦。ブロスナン扮するマックスはルパンさながらの怪盗紳士。
ボンドのイメージを損なわない色男っぷりを発揮しながらも、007の時の緊張感や硬さはすっかり取れて、悠々と楽しげに演じているので観てるこちらも楽しめる。
共演にラテン系グラマー美女のサルマ・ハエック、冒頭、驚愕の変装シーンからのビーチでのラブシーンには近年の本家ボンドガールズを軽々超えるインパクトを残す。
ブロスナンを追うFBI捜査官にはウディ・ハレルソンが銭形警部的なノリで演じており、ルパン3世のハリウッド実写版を見ているのではと、錯覚してしまうシーンも。(良いキャスティングではあると思う。)
演出に関しては突貫早撮り業者で有名なブレット・ラトナー監督らしく、薄っぺらくて折角の助演ドン・チードルも全く生かせてない印象がある。
全時代的な人物描写などお世辞にも褒められた作品では無いものの、キャスティングの妙でどうにか観れる作品になっている無難な一作。