Jeffrey

顔役のJeffreyのレビュー・感想・評価

顔役(1971年製作の映画)
3.0
「顔役」

冒頭、花札と博打と暴力団。そこへ警察乱入、一悶着、キューピッドの人形、大阪府警刑事の狂犬、立花。捜査終了、刺青、情報、脅迫、聴取、事故、差し入れ、入江、麻雀、抗争、爆弾爆発、流血。今、白昼の襲撃が始まる…本作は監督、脚本、製作、主演の四つを務めた勝新太郎が昭和四六年に監督した幻の映画として、今までソフト化(雑誌の付録ではあったようだ)されていなかったが、今年に入って東宝からDVD化されたので鑑賞したが確かに凄い映画ではある。確か北野武のデビュー作に影響与えた一本だと言っていた。脚本は「天国と地獄」の菊島隆三で、アクションの連続と強烈な映像で繰り出す勝新太郎が初めて監督した衝撃のギャング映画である。この度初鑑賞したが期待していたほど面白い訳では無いが、普通に観れる。さて、物語は捜査のためなら、暴力団員とも親しく付き合う大阪府警刑事、立花。とことんやれとの命令で、狂犬のように走る立花だったが、突然捜査の終了を命じられる…と簡単に説明するとこんな感じで、勝新太郎が自ら製作を行い、座頭市シリーズなどの大映映画の高いクオリティーを支えた牧浦が撮影をし、全編を印象に残る映像で描ききった新鮮なバイオレンス・アクションとして名高いー本である。クライマックスで勝新太郎が高野に一人たたずむ姿のロングショットが印象的。あと車ごと土で埋めてしまう場面も強烈、数年前の支那大陸で起きた新幹線脱線事故で新幹線をそのまま乗客を含めて生埋めにしたニュースが走馬灯のように蘇ってきた。役者のクローズアップが多いのは迫力がある。まさにタイトル通り。
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