スギノイチ

民暴の帝王のスギノイチのレビュー・感想・評価

民暴の帝王(1993年製作の映画)
3.0
キャストや演出的には「わかってやってます」なんだろうけど、古臭すぎるだろ。
前作『修羅の伝説』は良いのになぜこうなる。

70年代の実録映画って今観ても面白いし刺激的なんだけど、それを90年代にやるとこうなっちゃうんだなあ。
20年の時代変遷を逆行した結果だ。
おかげで『仁義なき戦い』の偉大さを再認識できる。

かつての東映やくざ映画では利用されたり翻弄されたりする側だった菅原文太や小林旭が、年齢を重ね組長クラスの役柄をやっているのは「20年後だなあ」と思った。
もはや権力に翻弄される存在ではなくなり、すっかり「利用する側」になっているのはちょっと悲しい。
その中で渡瀬恒彦だけが依然として狂犬だ。
本編ではふんぞり返ってるだけで大して活躍もしないのにDVDパケでセンターマンと化している小林旭よりよっぽど感情移入度も高く、かっこいい見せ場や七瀬なつみとの濡れ場もあったりする、実質の主人公だ。
もしかしてこれが最後のギラギラ悪役か?
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