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天国と地獄のNのネタバレレビュー・内容・結末

天国と地獄(1963年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

今まで見た邦画のクライムサスペンス映画の中ではトップクラスに面白かった。

個人的には刑事達が泥臭くもカッコよく描かれているのが好きで、足を使って捜査して、徐々に犯人を追い詰めていくのが見ていてワクワクする。

捜査班達もそれぞれ個性があって、ボースンのザ刑事感も良かったし、捜査会議で意見共有していく所や、マスコミと上手く駆け引きし、協力して犯人を炙り出していくのも見ていて楽しかった。

ナショナルシューズの権藤も一見昔気質の高圧的な男かと思いきや、仕事にかける情熱と自分の子供ではないのに身代金を払う漢気の良さには好感。
権藤と接して、戸倉警部達が権藤への評価を改めて身を粉にして捜査に励もうとするのは熱い。

若干権藤に肩入れし過ぎてる感はあったけど笑
誘拐だと懲役短いから、違う罪で死刑に持ってったろ!は犯罪者側からするとたまったもんじゃない。
当時は誘拐の罪状が厳しくないことに対しての風刺的な意味もあるのかな。

身代金受け渡し以外はそこまで派手な映画ではないものの、三船敏郎と仲代達也、三船敏郎と山崎努のバチバチの会話劇は見ていて飽きなかった。

単なる金持ちだったり、権藤が金を払っていなかったりしていたら、もしかしたら竹内の方に世論が動いていたかもしれない。
貧しい環境で裕福な者を憎み誘拐に至った竹内。
その裕福な者がコツコツ地道に働き成り上がった、現場上がりの権藤だったという皮肉。

決してハッピーエンドとは言えない、悲壮感漂う終わり方も含めてとても良い映画だった。

2024 135
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