Benito

太陽の中の対決のBenitoのレビュー・感想・評価

太陽の中の対決(1965年製作の映画)
3.7
【 エルモア・レナード初期小説映画化】

ポール・ニューマンの出演作としても、原作エルモア・レナードの小説としても、比較的埋もれた存在の作品。

犯罪小説家として有名なエルモア・レナードは「ゲット・ショーティ 」(1990年映画化),「ラム・パンチ 」(1992年に「ジャッキー・ブラウン」で映画化),「アウト・オブ・サイト」(1996年映画化)などもあったが、本作はレナードには珍しい西部劇。しかも原作は1961年発表というキャリアでは初期の頃。←村上春樹翻訳版あり

原題は「Hombre」西語で意味は "男"。
主人公のHombre(オンブレ)は4分の1メキシコ人、4分の3が白人の血が混じり、眼はブルーという小説の設定。映画では幼いころにインディアンに誘拐されアパッチっとして育ったという設定と異なってた。ニューマンの眼はブルーではあったが。いずれにしろ彼だから表現できるニヒリズムがこの映画にはあった。

時代設定は大陸横断鉄道が完成し、駅馬車が廃止される頃。映画の根底には、差別・偏見・モラル・人情といった要素があるが、ラストはなかなか壮絶。

この作品は、ニューマンが「動く標的」や同年のヒッチコックの「引き裂かれたカーテン」、そして傑作「暴力脱獄」に出演していた40歳前半のキャリア安定期の頃。そして監督、主演は、「ハッド」(1963)と同じコンビ。もっとニューマンの作品見直したくなってきた。

因みに下宿屋を切り盛りするジェシー・ブラウンを演じたダイアン・シレントはショーン・コネリーの元妻。
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