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欲望の翼のBOBのレビュー・感想・評価

欲望の翼(1990年製作の映画)
4.0
ウォン・カーウァイ監督の長編第2作目。60年代香港を舞台にした青春群像劇。

「1960年4月16日3時1分前、君は俺といた。この1分を忘れない。君とは"1分の友達"だ。この事実は否定できない。」

ウォン・カーウァイ監督作品は、『恋する惑星』『花様年華』に続いて3作目。観なければとは思いつつ、ずっと後回しになっていたが、自分の中で香港映画ブームが来たので鑑賞。

これは良い。感覚的に好き。終盤の唐突な展開?を除けば、ストーリーも好き。美しい映像と独特の語り口。WKW監督の映画スタイルの虜になりかけている。

男4人女3人。ある人を想い続け、すれ違い続ける危うさのある恋愛模様。

愛、時間、記憶、アイデンティティ。出会いと別れ。夢のように、おぼろげで曖昧。不可逆性の象徴である列車が走り去っていく。

降りしきる雨、多湿。黄色みがかった映像。上下を意識したカメラワーク。焦点のあたった人間以外はぼかされている。

香港トップスター達の豪華共演。レスリー・チャン、マギー・チャン、アンディー・ラウ、カリーナ・ラウ、ジャッキー・チュン、トニー・レオン。

「夢で会おう」

「1分ってとても短いけど長い時もあるわ」

「時は嘘をつかない、惑わすのは心」

88
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