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わたしたちの宣戦布告のoのレビュー・感想・評価

わたしたちの宣戦布告(2011年製作の映画)
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レンタル落ちのDVDを近所で見かけて、映画をたくさん見るようになった時期に映画館で見て好きだったのを思い出して再見。今見てもその気持ちに変わりはなかった。
監督、脚本、主演を務めたヴァレリー・ドンゼッリの実体験をベースにした作品で、その経験を映画にすることで世の中に記録する、そんな意味があったと思う。そして、フィクションに仕立てたとはいえ、自分たちの闘病の記録でもあったはず。
スピーディな展開とファッショナブルで軽快な音楽から独特の軽さを感じさせるけれど、それ以上に印象的なのは、子・アダムに対して、両親はもちろん、家族や友人が献身的に接するその姿勢に好感を覚えるんですよね。
子が抱える重い病気に、時に逃げ出したい気持ちが湧いてくるのは自然だと思うし、それにうまく対処できないのが人間だと思う。彼や彼女の姿はごく自然なこと、自分の日常的な実感に近いものを感じられたから、心にスッと入ってきたのかもしれない。
出てくる病気の実際問題などは見てから調べて補完すればいいし、映画では描ききれなかった時間の長さは想像で補完すればいいと思う。
その後、ヴァレリーは大活躍とまではいかなかったけれど、公開から10年近くたっても覚えているくらい、自分の中で忘れがたい映画の一つですね。
(途中、太った家族を笑う台詞はマイナス点でしたが。その他、他の方のレビューで見かけた差別的な台詞はうっかり都合よく?聞き逃してしまった)

公開時のインタビュー記事がこの映画を考える上で参考になります。
http://www.outsideintokyo.jp/j/interview/donzelli&elkaim/index.html
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