現実逃避帰国準備

オレンジカウンティの現実逃避帰国準備のレビュー・感想・評価

オレンジカウンティ(2002年製作の映画)
3.0
『Orange County』(2002)は、『スクール・オブ・ロック』の脚本マイク・ホワイトと、『ジュマンジ/ウェルカムトゥジャングル』の監督ジェイク・カスダンと、私の好きな映画の制作者達の作品。
3つとも、ジャック・ブラックが出演してる。

舞台のオレンジカウンティは、10年程住んでた所でなじみ深い。なんでタイトルがオレンジカウンティなんだろうと考えた。LAから車で30~50分位でスモッグも少なく、子育てファミリーに適した環境。『モンスターVSエイリアン』で、馬鹿にした扱いをされたModestoやFresnoの様な田舎じゃなく、OCは若者に人気のビーチも近くクールなイメージ。きっと、そんな郊外のビーチに集まるような若者達がこの映画に共感し、自分の未来を切り開いて行く示唆になる様にOCを選んだんだね。

主人公のお父さんがIrvineで8.5MSq ftの土地に住んでると言うシーンで、思わず計算してしまった。Irvineの普通の庭付き戸建ては5000Sq ft位で、1億円はするのに、その1000倍以上の土地に豪邸って、どんだけ金持ち!

昨日レビューした『Risky Business』もボンボンのハイスクーラーがプリンストン大の面接を受ける話だったけど、これもボンボンのハイスクーラーがスタンフォード大申請、面接を受ける。プリンストンもスタンフォードも、学校の成績オールAでも、ユニークな特技や、ずば抜けたリーダーシップや、特化した才能がないと入るのが難関。後は大学に多額のドネーションすれば確実。

うちの息子も、そろそろ大学選びを始めないといけない。けど、このコロナで、どこの大学もオンライン講義のみになってて、今後いったいどうなる事やら。

OCからスタンフォードのあるシリコンバレーまで、休憩入れて7、8時間の長距離ドライブシーンで共感。以前は飛行機を使ってたけど、この数年は年に1、2回、車で往復してて、あの疲労感を思い出した。

OCのすぐ上、サンタモニカ、ハーモサビーチ出身のブラック・ジャックは今作では脇役で、コミカルな表情や動きを見せてくれるだけ。ちょっとウザい兄だけど、弟想いでいいね。

トム・ハンクスの息子、コリン・ハンクスは、なんとなく父親に似ているけど、もっとトム・ハンクスにそっくりの役者がいる。Todd Robert Andersonという役者を『Just Add Magic』で見て、顔も声もトム・ハンクスにそっくりで本人かと間違えた。

途中、ベン・スティラーがちょっと出て来てびっくりした。

スポイラーアラート↓




お父さんが、妻が自分を愛してくれてないからって、アルコール依存症の元妻に戻るって、無理な展開。

ショーンが、スタンフォードの入学許可を蹴るのは勿体ないと思ったけど、スタンフォードに行ったからって小説書けるようになる保証はないからね。就職してエリートになりたいなら、一流大学へ行った方がいいと思うけど。企業に就職しないで、自分で起業する様な才能ある人って、大学をドロップアウトしてる人達多いもんね。勉強したいと思えば、どこででも出来る、愛する人、愛してくれる人のそばにいるのが一番重要で、小説書くことにも有益になるんだっていうのがこの映画が伝えたかったメッセージかな。

観終わって、このストーリーは合わせ鏡みたいだなあと思った。作家が書いている小説の中で登場人物が小説を書いてて、その小説の中の登場人物も小説を書いている。

7/2020 Hulu.com