Benito

ファースト・ミッションのBenitoのレビュー・感想・評価

ファースト・ミッション(1985年製作の映画)
3.6
【 香港版と日本版では作りが違う作品 】

サモ・ハン・キンポーがドラマ要素重視で製作した作品。

障害を持つ兄(サモ・ハン)と警官の弟(ジャッキー)の兄弟愛と絆が描かれていて、ジャッキー作品としては珍しい部類。

更に珍しいのは、オリジナル版(香港)と日本公開版で映画の建てつけが大きく異なる点。もともと格闘シーンは少ない構成だったのに、日本公開版では病院や駐車場などでの格闘シーンが追加されていたり、ジャッキーが歌う日本語の曲"CHINA BLUE"(なんと作詞は今野雄二、作曲が高中正義!!)が追加されている。

なんとも大人の事情なのだろう…
強いて言えば、配給会社の戦略というか。
これまでも、<東宝>はジャッキー主演の香港映画をなぜか大作に見せる誇大な広告をしたり、<東映>はロー・ウェイやジミー・ウォングが絡んだ訳あり作品をいかにもジャッキー主演作のように宣伝したり、この「ファースト・ミッション」を配給した<松竹富士>は出資していた事もあり、日本版を本来の作品のドラマ路線を無理矢理アクション映画に再構築させてしまったりしてる。ジャッキーもサモハンも当時は相当複雑な思いだったに違いない。本来の「ファーストミッション」の姿は香港版だから、そっちのほうをいつか観たいところ。

その後もジャッキーは日本のファン(配給会社)の為にいつも必死のスタントで映画を作り続けた訳だから、尊敬しかない。

ま、色々な事情や経緯があったとしても、ジャッキー出演作は全部好き🐲
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