爆裂BOX

NAKED マン・ハンティングの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

NAKED マン・ハンティング(2007年製作の映画)
3.7
恋人の元へ向かっていたキムは、途中立ち寄ったスタンドで出会った美女ベアと関係を持つも財布をすられる。ベアの後を追い掛けるキムだったが、突然何者かに狙撃される…というストーリー。
「NAKED」シリーズ第三弾としてリリースされたスペイン産の人間狩り映画です。監督は「アポロ18」や「オープン・グレイヴ 感染」のゴンサーロ・ロペス=ガイエゴです。
何者かに突然狙撃された男女がひたすら逃げ回るシンプルなお話ですが、どこから銃撃が来るかわからないまま逃げ回る中々の緊迫感が持続する作品になっていますね。
警官が来て怪しまれて逮捕されるも、その警官もすぐ射殺されてしまう容赦なさ。警官たちはどちらも全く役に立たなかったな。
ゴア描写はほぼないですが、岩場でこけて足を開放骨折する所は痛々しい描写でした。
主人公のキムは恋人にフラれ、未練たらたらで会いに行く途中で万引きしてるの見つけた美女ベアに誘惑されたら即関係もっちゃうぐらい意志弱くて、狙撃され始めてからは涙流しながらガタガタ震えて隠れたりと結構ヘタレ男子ですが、まあ、いきなりハンターに狙われたら普通の人ならこうなるか。彼と行動を共にするベアは万引きしたり、キムの財布すったり、乗ってた車も盗難車っぽいそこそこ悪い女ですが、パトカーに手錠で繋がれたキムを見捨てなかったり、負傷した警官必死で助けようとしたり、冷静であろうとしたりと極悪人ではないんですよね。複雑な過去あるっぽいけどそこは掘り下げられません。口喧嘩した時にキムがベアに「行きずりの男とすぐ寝る様な~」とか言ってビンタ喰らったけどアレ自分にもブーメラン帰って来ると思うけど(笑)
窪みの様な場所にキムとベアが落ちて、何とか這い上がったキムがとる行動はちょっと驚きますが、それまでのキムのヘタレ描写もあるし、「まあ、普通は会ったばっかりの女の為にそこまで命かけられないわな…」と妙にリアルに感じましたね。ベアはキム助けてくれたけどね。
そこで明らかになるハンターの正体は驚きですが、ヨーロッパ製スリラーではよくあるパターンかな。ここからしばらく視点がハンター側に移る所も面白いです。
終盤の廃村の様な集落でのハンター達とキムとの最終対決は緊張感盛り上がってドキドキさせてくれます。ハンター側の視点がFPS風になるのも彼らがゲーム感覚でこれを行ってるんだという感じを強めてくれて良いですね。
ハンターに逆襲して勝利するラストも普通ならハッピーエンドなのにハンターの正体が正体だけに何とも言えない後味の悪さが漂います。ゲーム感覚でやってたんだろうけどあれだけ殺したら殺されもするわね。
「NAKED」タイトルの中では緊張感も高くて楽しめるサバイバル・スリラーだと思います。