SatoEmiko

サイコ リバースのSatoEmikoのレビュー・感想・評価

サイコ リバース(2010年製作の映画)
4.0
母親から虐待を受けた過去を持ちながらも、ひっそりと銀行で働きながら生きるジョン。脱線した列車が家の庭に突っ込んで来たことから、彼の静かな生活が狂い出してしまう。

ジョンにはエマという女性の人格がいる。虐待を受けた子どもの心のままのジョンとは対照的に妻あるいは母のようにジョンの世話をするエマ。
例え第三者から見て異常であったとしても、彼にとっては生きるために必須であったもう一人の自分。歪でも何とか保ってきた平穏に脱線した車両のようにズカズカと突然突っ込んでくる他人の脅威によって絶妙なバランスで保たれていた彼の精神が脅かされる様は見ていて苦しい。
虐待を生き抜くために生まれたはずが、同じ苦しみを繰り返そうとしてしまうエマの必死さと、「彼女」の最後の決断は本当に切なかった。
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