爆裂BOX

キラー・モスキート 吸血蚊人間の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.7
蚊を媒介に蔓延する新型ウイルスの治療法を研究中のジェニファーの元に被検体として凶悪殺人犯が移送されてくるが、脱走しようとして蚊に注射した薬品と大量の放射線を浴びてしまい…というストーリー。
蚊人間に変異した連続殺人鬼が暴れまわるモンスターホラーです。監督は「ハードカバー 黒衣の使者」のティボー・タカクスです。
大量の放射線を浴び大火傷を負った殺人犯は蚊人間に変異し、蚊の本能のまま次々人を襲い、一方、事故の際人質となり少量の放射線を浴びたジェニファーも徐々に変異していきます。更に蚊人間は本能の命ずるままジェニファーと交尾しようと彼女を付け狙うという内容です。
蚊人間への変身シーンや変身した後の姿がアナログな着ぐるみとCGを使っていていい味を出しています。蚊人間のデザインも非常に気持ち悪くてよくできてると思います。血を吸う時に管を出す所もキモいですね。吸われる犠牲者の描写は「モスキート」の方が楽しかったですが。出し惜しみせず序盤の方から登場してくれるのも良いですね。銃撃受けてもビクともせず、爆発に巻き込まれても死なない蚊人間のタフさも良いですね。終盤では背中の羽で飛ぶシーンもあります。
序盤は淡々と人が襲われていきますが、中盤でジェニファーを奪おうと警官が警護する病院を襲撃する所から盛り上がってきますね。SWATまで出動して銃撃を繰り広げるけどそれをものともせず次々と血祭りにあげて死屍累々の惨状が広がる様は見応えありました。スライスされる頭部や千切れた手足、踏みつぶされる頭部など程よいグロ描写もあります。欲を言えばもっとがっつりSWATと蚊人間が戦う所見たかったけど予算の都合故やむなしか。
徐々に変貌していくジェニファーの苦悩とそれでも彼女を救おうとする恋人の刑事トムは「ザ・フライ」という感じですが、完全に蚊人間になり本能のままに暴れる殺人犯と、人間としての理性を必死に保とうとするジェニファーはいい対比になってたと思います。顔に血管が浮かび上がり、目が赤くなったジェニファーの顔は楳図かずおチックに感じました。
コリン・ネメックが恋人の刑事を好演してました。
最後のジェニファーの決断と行動と、世界が救われたラストは切なくてかなりグッときましたね。
テンポも良く安定した面白さがあるB級ホラーで楽しく見れました。