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12人のパパの一人旅のレビュー・感想・評価

12人のパパ(2003年製作の映画)
3.0
ショーン・レヴィ監督作。

12人の子供がいる大家族が巻き起こす騒動を描いたコメディ。

1950年に製作された『一ダースなら安くなる』のリメイク作品で、主演はコメディ俳優のスティーヴ・マーティン。日本での劇場公開は実現しませんでしたが、北米でのヒットを受けて続編まで製作されています。

12人の子供を抱える大家族が、フットボールチームのヘッドコーチに就任した父親の都合で慣れ親しんだ町から引っ越すことに。新天地での新しい生活が始まった矢先、小説家の母親がニューヨークに出張に行くことになってしまい、留守番を任された父親は自由奔放な子供たちをまとめ上げるべく奮闘する…というファミリー・コメディの佳作で、やんちゃ盛り・思春期・反抗期・引っ込み思案…とそれぞれに個性を爆発させた子供たちが繰り広げる騒動の数々と、それに四苦八苦しながら孤軍奮闘する父親の姿が面白可笑しく活写されています。

まあ、お話のテーマはこの手の映画に良くある「仕事と家庭、どちらを取るか」。父親はコーチの仕事を優先するあまり子供たちをないがしろにしてしまいます。引っ越す前は団結していた家族も、父親の自分本位な振る舞いが災いして少しずつ精神的に散逸していくんですね。でも、父親は失いかけることで初めて家族の大切さに気づいていきます。自分の夢=仕事と、愛する家族。どちらを取るかなんて、現実では違うこともあるかもしれませんが、少なくとも映画における答えは始めから一つですよね。でも、その判り切った答えを躊躇なく提示した明快な着地は、アメリカ産コメディの褒めるべき所でもあるんです。大家族のドタバタ騒動をオーバーコミカルに描きながら、かけがえのない大切な家族の愛情を再確認するハートフルな結末はやっぱり心地いいんですよね~。

でも、12人兄弟なんて絶対嫌だぞ!(向かいに住む三人家族が嫌味な感じで描かれてるのが、一人っ子の身としてはちょっと気になるなあ~)
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