Fitzcarraldo

ルチオ・フルチのクロックのFitzcarraldoのレビュー・感想・評価

ルチオ・フルチのクロック(1989年製作の映画)
2.3
13日の金曜日という絶好のタイミングで【第8回 夏のホラー秘宝まつり2021】に参戦の3本目。

マスター・オブ・ゴアことイタリア産ゴアの帝王ルチオ・フルチ特集上映。

初期の全盛期の頃の作品群ではなく金のために割り切って仕事をするようになった後期の作品ばかりのラインナップは残念。

『マーダロック』(1985)以降は露骨に金の為に仕事をしていくことになるのだが…。それは持病であった糖尿病からウィルス性肝炎を発症し肝硬変で死にかけた所為で、医療費は増え続け、その医療費を支払うためにあらゆる仕事を引き受けるようになったのである。

『ルチオ・フルチのクロック』は、そんな金の為に割り切って作ったテレビ映画。

1組の男女のカップルとその友人の男という3人の若者が、強盗目当てで大きな古い屋敷に押し入ると、老夫婦と庭師を弾みで殺してしまう。死に際に時計に何やら語りかける老父。ゆっくりと屋敷中にある時計が逆回転を始める。すると…TENETヨロシク逆行を始める屋敷の者たちに逆に襲われる若者たち…。

この逆行する理屈も釈然としない。
時計が逆回転すると、時が戻るのは…まぁそこはいいとして、なぜ強盗に入った若者たちの時間は戻らないで順行してるの?

生き返った老夫婦と若者たちの時間軸とは交差しないはずなんだけど…よくわからない。屋敷の人間たちの時間だけ戻り、生き返っていくのだが…順行してるはずの若者たちに追いつき、彼らに襲いかかる。

ラストは若者3人も時間が戻り?屋敷に押し入る前に停めた車の中へ…。へ?強盗に押し入る時は夜だったのに、なぜか真っ昼間。

TENETの理屈もいまいち分からないで、ずっと釈然としないのだが、本作も同様…。

この直前に見た"Shocker"(1989)が細かいところを気にせずに理屈抜きで大いに楽しめたし、連続3本目ということで疲れ切っていたので、特に意識もせず何も考えずに見てたのだが…。

結局…よくわからないまま惰性で見てしまった。

モヤがかかったような薄くて淡い色調が非常に見にくいのと、この色合いがラストを余計に分からなくさせている。

これは夢オチってこと?
「夢でした…」チャンチャン♪とも取れるのだが…
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