Omizu

リタと大学教授のOmizuのレビュー・感想・評価

リタと大学教授(1983年製作の映画)
3.4
【第56回アカデミー賞 主演男優賞他全3部門ノミネート】
『アルフィー』ルイス・ギルバード監督が舞台劇を映画化した作品。アカデミー賞では主演男優賞(マイケル・ケイン)、主演女優賞(ジュリー・ウォルターズ)、脚色賞のノミネートされた。

「現代版マイ・フェア・レディ」とも称された大人の文学ラブストーリー。なのだがそこまで好きにはなれなかった。主演二人の演技は素晴らしいが、演出がそれを上手く生かせていないのが残念。

呑み癖のある大学教授が無教養の美容師を教育していくという話。なるほど『マイ・フェア・レディ』ないし『ピグマリオン』、『スター誕生』と似ている。

二人の絆が強まっていく過程や、だんだんと立場が逆転していく様をビターな演出で描いている。しかしその演出がやや冗長。もう少しスッキリさせて欲しいところ。

舞台劇が原作と言うことで一定の面白さはあるものの、ぎこちない語り口がその邪魔をしている印象。窓が映って場面転換、という演出が多用されるのもよくない。外と内の関係性が重要なのは分かるが、そのままでは舞台劇っぽすぎる。

マイケル・ケイン、ジュリー・ウォルターズは好演しているだけにそれを十分に生かせていないのは残念。もう少しコンパクトにまとめていたらもっといい作品になった気がする。あと一歩が欲しかった一作。
Omizu

Omizu