喵來

ホロコースト -アドルフ・ヒトラーの洗礼-の喵來のレビュー・感想・評価

4.6
原題:えいめん 正に然り。意のままに。
なんでこうナチス題材映画・ホロコースト題材映画=ヒトラー、になるんだろうわかりやすい単語を並べりゃいいってもんでは。。キリスト教が根付かない国だからか。。。
むしろ主軸はバチカンへの疑念バチカンの告発
抵抗側と迎合側の対比の最後があっさりしすぎてて見終わったあと立ち上がれない

まだあまり知識のない頃に初見したからものすごく印象に残ってる。当時も原題との乖離に顎を外したがww

閉じた貨物列車と空っぽの貨物列車の対比、親衛隊員の人間味、油ぎった手と口で上から眺めるあの感じ。。。
青くて勢いのあるリカルドちゃんが全てを捨てて反抗にでる瞬間がたまらない

ナチスをサブカルテーマにする時ほとんど語られない精神病者の扱い、障がい者の扱い、初期のユダヤ人の扱い、そこそこ恵まれた地域の彼らの扱いがちゃんと描かれてて良き
精神病者障がい者に人種はないらしい。将校家族でもお構いなし。その責を全てヒトラーに押し付けてるとこが造りとしてはちょと怖い

そして障がい者たち(キリスト教徒の子孫)とユダヤ人を明確に差別する教会。牧師も神父司祭もこういう時は一丸になるの興味深いね。そこまでカトリックが強い国でなくとも権威があるのはカトリックという。教会という組織そのものが長い歴史の中で主体になって近代以降は目を瞑ってきた事象それがユダヤ迫害。宗教の手を離れて名前だけが一人歩きしても慣習は変わらない
信ずるもの以外を噂と断罪し目を背ける姿勢がほんと気持ち悪い

ライヒスコンコルダとその闇、ピウス12の事実と真実。ピウスに関しては5年前くらいから史料解釈で二転三転してるわけだが。
生き残るやつはハイエナのように卑しいんだ
喵來

喵來