イチロヲ

ウィラードのイチロヲのレビュー・感想・評価

ウィラード(2003年製作の映画)
4.0
ネズミとの交流を深めている内向的な青年が、強権を振るう会社社長への報復行為に打って出る。1971年度「ウイラード」をリメイクしている、サスペンス映画。題名のカナ表記がオリジナルとは異なっている(イが小文字)。

絵作りがゴシック調に変更されており、舞台がインターネットの時代に移行していること以外は、基本的にオリジナルと同じ。映像面では光と影の幻想ホラーという印象が強く、ドイツ表現主義やヒッチコック作品の影響が垣間見られる。

また、オリジナルでは冴えない兄ちゃんだった主人公が、本作では「残念なイケメン」に変身。そして、会社社長はサディスティックに恫喝するオッサンになっている。演者の狂人ぶりを見る分には楽しいが、社員の社畜感が悪い意味で浮いている。

ネズミさんたちの熱演はオリジナルに引き続き、実に素晴らしいもの。クライマックスのリベンジ劇もまた、異なった演出とカメラワークで魅せてくれる。全体的に「ゴシック」という言葉に支配されているため、ゴシック好きの人にオススメ。
イチロヲ

イチロヲ