イアン・マキューアンによる小説『The Comfort of Strangers(邦題: 異邦人たちの慰め)』をハロルド・ピンターが脚色、ポール・シュレイダーが監督した、不条理で不可解なサスペンス。
休暇を過ごすために、思い出の地ヴェニスを訪れた英国人カップルが、怪しげな男とその妻の罠にはめられていく・・
2年ぶりにヴェニスを訪れているメアリー(ナターシャ・リチャードソン)は2人の連れ子がいるシングルマザー。冷めたムード漂う彼氏コリン(ルパート・エヴェレット)は今後の二人の関係について考えているようだ。
ホテルのフロントで夜遅く開いているバーを聞き向かうが迷子になってしまう2人。
突然、白いスーツの男ロバート(クリストファー・ウォーケン)が現れ、経営している店へ案内され3人で飲む。
亡き父や4人の姉妹の話などを一方的に語るロバート。
店を出たメアリーは途中気分が悪くなりコリンと2人路上に座り寝てしまい朝を迎える。
翌日、ホテルに戻る前にカフェに寄った2人。メアリーはもうヴェニスを離れたくなっているが、帰国は5日後。
そこに再びロバートが登場。路上で朝を迎えた話を聞き、お詫びにと彼の家に2人を招く。
祖父から継いだというロバート邸のベッドで目覚めた2人。ロバートの妻キャロライン(ヘレン・ミレン)は、全裸で寝ていた2人の寝姿をしばらく見ていたのよと、不気味な告白をする・・・
そして、あまりに不条理なラストへ。。。
威圧的で権威主義的な父親、従順な母親、姉妹との関係が、ロバートの異常性を形成しているようですが、
・ロバートとキャロラインのコリンへの執着。
・ロバートが何度も繰り返す父の話。「父はとても大きな男だった。いつも黒い口ひげを生やしていた。ひげが白くなるとブラシで染めていた。女性が使うマスカラで。」
・ここは鏡の向こうの世界よ、と語るキャロライン。
そういう原作なのでしょうが、ロバートとキャロラインの心理・行動は謎過ぎです。笑;
昔、一人旅でヴェニスに寄った事があるんですが、乗り継ぐはずのエアーがストのため長距離バス移動になり、到着したのが深夜。
イタリア語しか話さない水上タクシーのおっちゃんにメモを見せ、降ろされた場所からホテルの道順が分からず迷い、船の待合所で朝を迎えようか悩んだり…スマホのない時代、まさに迷宮のヴェニス体験をしたのを思い出しました。