sonozy

若い娘のsonozyのレビュー・感想・評価

若い娘(1960年製作の映画)
4.0
ルイス・ブニュエルのレアな英語セリフ作品。英語字幕にて。
短篇小説「Travelin Man(Peter Matthiessen)」にインスパイアされたもののようです。

白人女性のレイプ犯の濡れ衣を着せられ追われた黒人トレヴァー(本名はトラベリンマン)は町から舟で逃げ出し、燃料切れのボートで小さな島にたどり着く。

その島に暮らすのは、密猟監視員ミラー、少女エヴィーと彼女の祖父のみ。
ミラーはエヴィーを召使い的にこき使い、祖父が亡くなったと聞くと「やっとか」と粗暴な男。
二人きりになり、髪を結いたエヴィーの色香に気付いたミラーは「大人らしい肉付きになってきたな」などと、エロモードでエヴィーに接するようになる。

町に買い物に一泊で出かけたミラー。
残されたエヴィーはひとり蜂蜜の収穫をしていると、トレヴァーが現れる。
悪い人じゃないと感じたエヴィーは彼を家に入れ、必要な食料・燃料・銃を提供し、20ドルをゲットする。
舟に戻ったトレヴァーは誤って銃を発砲し、舟底に穴をあけてしいまい、再びエヴィーから工具を借りる。(この時、エヴィーはシャワーを浴びて、バスタオル一枚姿。ブニュエルの毎度の脚フェチシーンです。笑)

翌日戻ったミラーにトレヴァーの件を報告するエヴィー。
怒ったミラーは銃を手にトレヴァーを仕留めに出かける・・・

ミラーと島にやってきた別の男の人種差別。
ミラーの性的虐待(と見られる)問題。
この二人を諭そうとする神父の存在。
ある種の密室劇が展開されます。

少女エヴィーの初々しく無邪気なエロス。(ジャケ写は川で脚を洗っていて神父がやってくるシーン)
トレヴァーの吹くクラリネットの響き。
ミラーが買ってきたハイヒールを嬉しそうに履いてスキップするエヴィー。
なんとなくハッピーなエンディング。
が特に印象的でした。

カンヌ国際映画祭 1960: Special Mention
sonozy

sonozy