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『セブンス・コンチネント』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

4.0
 冒頭、洗車場の機械の中にゆっくりと有人の車が吸い込まれる。その動きはあまりにも鈍重で、気の遠くなるような時間がしばし流れた後、若くない男女を乗せた車はゆっくりと走り出す。彼らが走り出した先には「オーストラリアへようこそ」の文字と楽しげな絵が踊る。このあまりにも不穏な空気を持った映画こそが、ハネケの記念すべきデビュー作である。オーストリア郊外に住む3人家族の3年間を3部構成で据えながら、やがて一家心中に至る家族の狂気を徐々にあぶり出していく。前半、カメラは人物の表情をまったく追うことがない。意図的に家族の表情をフレームの外に追いやりながら、何気ない家族の朝のルーティンを追う場面があまりにも異様に映る。思えば最初は車の後部座席からスタートしたこの映画で、主人公とその妻の表情が認識出来たのはだいぶ後になってからであり、ショットは常に対象を意図的に外し続ける。

 今作は3部構成になっており、1987年から1年ずつ進んでいくものの、その中で行われている家族の風景や祖父母への手紙、仕事の風景はどれも同じような構造を有する。3人家族がラストにどうしてあのような悲劇的な結末を迎えたのか?具体的な理由は今作の中に一切明示されていない。夫の仕事なのか?借金なのか?それとも妻の不倫なのか?娘の病気なのか?決定的な理由は遂に明らかにされないまま、陰鬱な空気の中で静かな凶行へと向かう。だが洗車場の3度目の描写の際、妻の閉所恐怖症が突然再発する。その鈍重な動きの中で、とうとう我慢出来なくなった妻は娘の手を握り、目に涙を浮かべる。ちょうど手前の交通事故で目撃したシートを被せられた死体の映像とともに、あまりにも印象的な場面である。クライマックスまでの30分間は陰惨極まりない。数年ぶりにあらためて観たが、心底辛かった。思えばこの映画において、他者が家族に介入することはただの一度もない。電話会社の人間が訪ねてくる場面はあるが、悲しいかな父親は外との繋がりを断絶する。そして粛々と死への準備を進める。

 衣服を引きちぎり、テーブルを叩き壊し、レコードを真っ二つに割り、最後には水槽までも破壊する。それは娘の内面の死を意味し、水槽から流れ出た水たまりの中で、魚たちは苦しそうに呼吸をしている。物質社会に呑み込まれた家族の風景、モニターに映された放送終了画面の不気味さが生の終わりを唐突に告げる。
ハネケ監督。
感情の氷河化三部作。

ある家族の何気ない日常から一転。

ありふれた日常への絶望。
はる

はるの感想・評価

4.5
面白いですねぇコレ!好きな映画です!
ハネケ監督がインタビューで素晴らしい解説をしているので、私がダラダラ感想書くのもあれなんですけど、まぁ書きますよ。
一家が自殺へと向かうのを淡々と描いている今作ですけど、実際にあった事件がベースなんだそうです。
冒頭の洗車機のシーンから、お母さんが手紙を読み始めるまで、家族3人の表情が映らない代わりに朝起きてから出掛けるまでのディテールをしっかり見せてくれるんですよね。この数分で、少しの不安とこの家族への興味が掻き立てられる素晴らしいオープニングだと思います。
この作品は物凄く怖いとか理解できないとかそういう映画ではないと思いました。十分に誰でも共感できると思います。2度目の洗車機のシーンでお母さんが突然泣き始めるシーンがあります。このシーンのお母さんの気持ちってのは痛いほどよく分かるんですけど、ここでお母さんは悟ってしまうんですよ。経済的にも不自由は無いし、家族の仲も問題ない、でもきっと私の人生ずっとこのままなんだろうって、生きてる意味あるのかなって。そして、その気持ちはお父さんにも伝わっているんですね。
全編通して思ったのはこのお母さんお父さんがホンットに真面目な人なんだなって事ですね。終盤にかけて家の中の物をどんどん壊していく訳ですけど、自らのお金もトイレに全部流しちゃうんですよ。コレ別にやる必要ある?勿体ないじゃんとか思ったんですけど、コレは彼らが純粋な死へと向かっていくには必要な行為なんですよ。悲しいシーンですけどね。
監督が「説明は卑小化する」と仰っていましたが、まさにその通りで、説明臭くないところがこの映画の良いところだなぁ〜って思いますね。人それぞれ感想があって楽しいですし。それにしてもエヴァちゃんは可愛かったですね〜

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