まさなつ

おとし穴のまさなつのレビュー・感想・評価

おとし穴(1962年製作の映画)
4.0
勅使河原宏と安部公房による社会派風ブラックコメディ⁈

京都文化博物館では、古い日本映画を上映しているので、中々観る機会のない作品の時にたまに遠出します。東京で言えば国立映画アーカイブみたいなとこですかね。「砂の女」と「他人の顔」は観て面白かったので、これも観たかった一作。

めっちゃ面白いです^_^

安部公房って、高校生ぐらいの時に読んだな〜分からないのに何だか面白いという。背伸びしてただけかもしれませんが^^;

このコンビだから当然シュールなんですが、当時の炭鉱を舞台にしていて、底辺で生きる人々の姿や、経営者対労働者という構図は社会派であり、当時の世相を皮肉ってる感じがします。でも殺された人がそのまま幽霊として出てくるあたりはユーモラスでもあります。「砂の女」や「他人の顔」より、コメディ色は強いです。

ロケ地が中々良くって、この不条理劇を盛り立てます。構図も決まってますね。

そして、なんと言っても白のスーツに帽子の田中邦衛さんの、無口な殺し屋が最高です^_^
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