けな

ピグマリオンのけなのレビュー・感想・評価

ピグマリオン(1938年製作の映画)
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2021/09/00

言語学者のヒギンズは、ある日コックニー訛りの花売り娘イライザに出会う。
ましな仕事につくため、美しい英語を教えてほしいと彼女に頼まれたヒギンズは、レディーなふるまいを一から叩き込んでいく。

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マイ・フェア・レディと同じ戯曲をモチーフにした映画と知り、鑑賞。
ジョージ・バーナード・ショー作、1913年初演…身分階級への皮肉はわかるとして、「女性の自立」を扱った作品が、そんな時代に既にできているなんて目から鱗。
「ピグマリオン効果」は、神話のピグマリオンが由来か、この戯曲が由来か、定かではないらしい。

お話は面白かった。
教える男と応える女。知り学ぶことで変わるもの。性差は置いといて、成長物語って観ていて楽しい。

ただ、ヒギンズのキャラクターを面白がれるかどうかで、感想は変わるかも。
誰にでも皮肉と悪態を常についてるけど、イライザへの態度には、揺るがない差別意識も追加されるから。
個人的には(伏線とはいえ)、どうしても目に余った。
言葉がきれいだって、上質な服着てたって、失礼にはなるんだぞ上流階級!!!
パーティーから帰った後、イライザが顔を両手で覆ってソファーに崩れ落ちる後ろ姿には、心底…腹が立った。それからの展開は、ラストまで目が離せなかった。
ラストシーンは元の戯曲通りがよかった派(Wikipediaでみた)。もしそのラストだったら手をたたいて喜んだと思う。

一番お気に入りの場面は、ヒギンズが雇ってるメイドのおばあさんに、「もうすこし悪態を控えてください」と言われるところ。
ヒギンズが「私はとくべつ興奮したとき以外に毒づいたことなどない」って返したら、「今朝はパンにもバターにも毒づいてましたよ」。
メイドさんのあきれかえった態度がツボでした。
けな

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