あ

不審者のあのレビュー・感想・評価

不審者(1951年製作の映画)
4.2
正直ツッコミどころしかないにも関わらず、凄まじいスピード感でスルーされるため、そんなことどうでもよくなる映画でした。

コンプレックスに裏打ちされた強い反骨心を持つ割には「金持ちになったら女侍らせてでっかい家を建てたい!」というレベルのしょうもなさすぎるパーソナリティの主人公(≒松本○志?)が、抱擁を重ねるごとに女を無理やり自分のものにしていく前半からすでに面白く、さらにそこから果てしない逃避行の後半までついてくるというので、かなりお腹いっぱいになりました。

更に、キャリコに身を落ち着けたところに、突然石フェチの同僚が脳裏に浮かび、レコードからは殺した元夫の声が「今から帰るよ」と言い残してスリルを高めたところに、一本道を爆進してくるパトカーたちが主人公を丘に追い詰めて絶頂という、締まりも抜群でした。
丘を転がり落ちてくる主人公が哀れすぎて、まさに文春砲に撃ち落とされたまっちゃんみたいでした。
あ