エリシャ・カスバートの大変身。

やっぱり、このサイトでもこの作品のレビューは少なかった。テレビドラマ『２４』シリーズでジャック・バウワーの娘役を演じた女性。ご存知の方も多いだろう。

恵まれた家庭に育ち、友人仲間でも人気者の女の子が、新しく養女として妹を迎えた事から生活が変貌する。暗い過去を持つゆえ屈折した彼女の秘められた性格が再び蘇って・・・・。

再び見直してみたがそれ程の愚作にも見えない。彼女のファンの方は是非ご一見の程を・・・

一見幸せに見えるディーア家に、父の死後、養子として迎えられた”聴覚障害”のある少女ドット。ある日娘のニーナが父親から性的虐待を受けているのを知る。耳が聞こえない事でニーナや同級生のコーナは彼女に自分の内側を話すようになり、やがて自身の父親への執着と交差し、ニーナとドットは独自の切っても切れない関係を作り上げていく。

　全編を通して青い色彩、現実と非現実の世界が交差するように、意味深なカメラワークが不気味な人間関係を徐々に徐々に浮き彫りにしていく。食事のシーンを閉鎖的に、窓ガラスに浮かび上がる外の景色が、現実をぼかし不気味な空気感を作り上げる。狭い世界で繰り広げられる、嘘で固められたうわべの幸せ。

　ドットが”聞こえない”事でニーナがそうして同級生のコナーが私的な話をぶちまけ、自然に見えない気持ちに共感し、一種の同化を感じ始める。それはドット自身が抱えてる父親の死と重なり、孤独を望み一人で生きる事を決めた彼女の決意を根本的に翻し、自分の本心と向き合わせる結果となる。

　ドットとニーナの距離感も自然に埋まっていき、切っても切れない関係は必然的に出来上がっていく。すべての人々が闇を抱えている。わかっていながら止められない、知っていながら何もすることができない、見て見ぬふりして嘘で塗り固められた脆い家族関係はいとも簡単に壊れてしまい、母が抱えていた闇もしっかりと見えてくる。それはきっと心の奥で家族全員が望んでいたことだろう。ドットが家に来た事で結果的に大惨事になったが、そこで唯一無為の関係を得ることにもなる。結局人は人をほっとくことなんてできない。一人で生きていくことなんてできないのだ。青から赤い色彩へ変化していき、家族に生が戻ってくる。現実を受け止めて初めて息が出来るようになる・・

【みんな自分の秘密を誰かに聞いて欲しいんだなって】
ダークな青春映画。
FILMARKSさんのジャケット写真に惹かれ、エリシャ・カスバートさんお目当てで鑑賞いたしました。
可愛すぎて発狂♡♡

お馬さん大好きの余談ですが私の中で「ドットさん」は元競走馬のメイショウドトウさんの愛称なので「ドット」(作中では女の子の名前)を呼ぶ台詞が聞こえて来るたびにお馬のドットさんのピンクでブルブルの口元が脳裏に散らついて幸せな気分になりました。

ガーリーなエリシャさんとボーイッシュなカミーラ・ベルさんが正反対で良き♡
内容はすっごく気持ちが悪いお話でした。
エリシャさん演じるニーナちゃんの父親ポールが自分勝手すぎるし自分の血を分けた娘に…おぞましすぎて吐き気がしました。
ニーナちゃんも母親もポールの身勝手のせいで苦しんでいたのですが、夫婦愛や親子愛を盾にされ振り回されて来たというのが本当に胸クソでした。

父ポールとの秘密を誰にも話せず胸に抱えたまま平気な振りをして毎日学校に通うニーナちゃん。
ある日身寄りのなくなったドットちゃん(カミーラ・ベルさん)がニーナちゃんのお家に引き取られて一緒に生活をする事に。
ドットちゃんは聴覚に障害があり口も聞けない女の子。

最初は影のあるドットちゃんを毛嫌いするスクールカースト上位のニーナちゃんでしたがだんだん彼女の不思議な魅力に惹き付けられ心を開いて行く…という正反対な女の子同士のソフト百合な胸アツ展開♡♡
ぎゃあああ私が大好きなやつじゃん！！！

ドットちゃんの耳が聞こえないのを利用して自分たちの秘密を勝手にペラペラと打ち明けるポールやニーナちゃんやクラスメートのコナーくん。
ニーナちゃんは強がりという鎧を纏っていないと生きて行けなかったのだと思いました。
それがドットちゃんによって解きほぐされて行く過程が良すぎてたまらん。
ここら辺の描写の人間心理が凄く興味深かったです。

最後にニーナちゃんとドットちゃんが手を繋いで帰宅して２人で一緒にピアノを弾くまでの流れ。
ぜんぶ壊れちゃったから今から新しい日々を生きて行くんだね。
これから２人で♡♡最高だ。
女の子の友情という良いものを見せていただき監督ありがとうございます！

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