ブタブタ

タイム・トラベラーズのブタブタのレビュー・感想・評価

タイム・トラベラーズ(1964年製作の映画)
3.5
コウモリグモのデザインが余りに有名な『SF巨大アメーバの惑星』等で知られるクリエイター、イブ・メルキオール監督作品。
TV放映時のタイトルは『原始怪人対未来怪人』

自分の様なボンクラ映画ファン及び特にマニアには人気が高いようです。

『JOJO』の荒木先生や『進撃の巨人』の諫山先生も影響を受けたと語ってたとか。

楳図かずお先生も影響を受けてるみたいで特に『14歳』は人工チキンが進化したチキンジョージ博士が造り出す超科学技術の数々、スクリーンから物体が出てきたり、肉と機械が融合した様なグロテスクなマシン、それと破滅した地球を捨てて遥か宇宙へロケットで脱出する所何かもこの作品とよく似通ってます。

科学者たちが「未来を見る事が出来るスクリーン」を開発したところ何とその中に入る事が出来ると判明、10万年後を一瞬映したあと、107年後の世界が映り科学者一行はスクリーンの中の世界に入って行くと、そこは核戦争で崩壊した世界で「極僅かに生き残った人間」と「放射能で退化したミュータント(コレが原始怪人か)」の二種類が居り、未来人達はアンドロイド(コレが未来怪人か)を使役してロケットを組み立てる労働に従事させたりミュータントと戦わせたりしてるのですが、このアンドロイドのデザインがダッチワイフの出来損ないみたいな本当にイヤ~感じの生理的嫌悪感を催させるグロテスクさで、アンドロイド組み立て工場では大量の頭手足などの部品がそこら中にあって手だけが既にウネウネ動いてたり目玉を1個1個嵌め込んだりその製造過程もグロテスクで楳図かずお漫画の世界みたいです。

最後は未来から現代に帰還するも来た時間の少し前に帰って来てしまい、其処には当然未来に来る前の自分たちが居るのですが未来から来た自分たちは別の時間軸の存在(?)なので其処は時間が停止した状態で機械も操作出来ないどうにもならない袋小路なのですが、そこはスクリーンに10万年後の世界が映し出されていた一瞬のあの時で一行はスクリーンの中の10万年後へ、そこは浄化され自然を回復した原始世界で又ここから歴史は始まるめでたしめでたし…で終わるかと思いきや其処からタイムパラドックス的仰天オチ(?)が待っていてグッドともバッドエンドともつかない奇妙な結末はまさにSFでした。
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