あちゃん

テンダー・マーシーのあちゃんのレビュー・感想・評価

テンダー・マーシー(1983年製作の映画)
3.8

元シンガーでバツイチのマックは
アル中で金も無く
泊まっていたモーテルで
雑用係として雇われる。
そこを営む若い未亡人と再婚。
ローザと息子サニーとの触れ合いで
酒を断ち音楽業界へ戻れる話が
持ち上がるが……


𓂃 𓈒𓏸𑁍‬𑁍‬𓏸𓈒‬‬ 𓂃𓂃 𓈒𓏸𑁍‬𑁍‬𓏸𓈒‬‬ 𓂃



新しい家族との生活を手にするも
捨てきれない過去の栄光と家族。

ローザの元夫はベトナム戦争で戦死
マックの元嫁は売れっ子シンガー

出会いがあれば別れもあって
捨てるものがあれば拾うものもある
悲しみや苦しみは消えなくとも
新たな光を見つけることは出来る

人生、山あり谷あり。
そんな感じの作品だなって思った。






マックの娘が会いに来て
「名前を呼んでくれないの?」からの
「小さい頃鳩の歌を歌ってくれたわ」
『覚えてないな』
(娘が帰ったあと鳩の歌を歌うマック)

⤴︎︎︎ ここめっちゃ好き。
不器用すぎるマックの娘への愛が…😢

だからこそその後の展開に
ええええ!ってなった😢😢😢
そこでそう呼ぶのか……







マック×元嫁×娘
マック×ローザ
ローザ×サニー
マック×サニー

それぞれに色々なわだかまりがあって
色々な感情が交差しているのだけど
私はローザ×マックの娘が
なかなかに抜群だなと思った。

血の繋がりの無い他人同士で
複雑な関係だからよそよそしいんだけど
私にはローザが母親の顔に見えた。
ローザの器のデカさを物語ってた。





不穏な空気を漂わせてモーテルに来た
5人組がマックの熱狂的ファンだったり
サニーを虐めてた男の子の家族が
サニーよりも幸せそうじゃなかったり
マックの娘の彼氏も酒に溺れてたり……

出てくるチョイ役達の
些細なストーリーも面白い。






派手な動きのある話では無いから
入り込むまでに少し時間が掛かったけど
噛めば噛むほど良さが分かる作品で
最後にはハゲのおっさん(マック)を
愛しく感じるようになっていた。

こーいうのを良い作品だと
思えるようになれて良かったなあ〰︎︎。

映画を見始めたばかりの昔の私なら
きっと何も感じなかったと思う。