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ベニーズ・ビデオのbennoのレビュー・感想・評価

ベニーズ・ビデオ(1992年製作の映画)
4.1
ミヒャエル・ハネケ監督作品7作目…。

"感情の氷河化"3部作の第2弾…。
前回のデビュー作同様、かなりの悪趣味作品です。

冒頭、豚を屠殺するビデオ映像…。
豚の断末魔…痙攣シーン…。

主人公の少年ベニーはそのビデオを執拗に巻き戻して何度も何度も観ています。
彼にとってビデオの中だけがリアルな世界…。

この時点で既にヤバい…。

ある日街で知り合った少女を自宅に招き衝動的に殺害…その一部始終をビデオ撮影します。

挙句、言葉で告白する代わりに両親にそのビデオを見せるのでした。父が理由を尋ねると…「どんなものかと思って…」………。

でもそれが彼の正直な気持ち。
床に流れ出た血とテーブルにこぼれたミルク…彼が拭き取る動作はふたつとも何ひとつ変わりません…そこには一切の感情が無いのです。

両親は息子の犯した犯罪を必死に隠蔽しようとします…がそこでも容赦のないハネケは…こんな風に壊れてしまった少年が家族に復讐するというラストを用意!

圧倒的に後味の悪いエンディングを迎え、またしても丸投げ〜!とことん冷淡に突き放し、俯瞰的な映像…
だからこそ…やめられない!

但し、今作は盗撮映像を観ていたベニーがテレビの入力を変えると、ニュースでコソボ紛争の映像に…。

狂っているのは子供だけではない…という演出がただの胸糞映画ではないということを知らしめていました。


thanks to; ジニョクしゃま.。o♡⋈♡*。゚
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