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番頭はんと丁稚どんのchiyoのレビュー・感想・評価

番頭はんと丁稚どん(1960年製作の映画)
3.5
2021/5/9
大阪道修町の薬種問屋七ふく堂。崑松演じる大村崑に若干のあざとさを感じるものの、丁稚の崑松と番頭の雁七を中心にした群像劇がなかなか面白い。特に、番頭の雁七、女中のお花、店の隠居はんの3人に手紙を託された崑松が、案の定、宛先を間違えて届けるのがベタながら面白い。また、当時開館して数年のフェスティバルホールの言い回しも楽しかった。が、崑松の少し頭が足りないという設定もあり、今の時代には作り辛いタイプの映画かと。ただ、丁稚同士の仲がとても良く、皆が崑松の個性として捉えているように見えた。良くも悪くも、この時代は何に対しても大らか。そして終盤は、テレビ版を公開収録していたことを活かした、映画の崑松と舞台上の崑松、二人の崑松がまさかのご対面。こういった遊び心が微笑ましい。
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