Bobsan

ジョン・カーペンターの 要塞警察のBobsanのレビュー・感想・評価

5.0
この作品でもカーペンター監督の視点は反権力側にあります。カーペンター監督描くアクション映画の主人公は一貫して反権力側にあります。それは権力大嫌いなカーペンター監督自身が投影されているからですね。
この作品ではその反権力側の主人公と権力側の人間が手を組んで共通の敵を相手に戦います。敵の敵は味方という事ですが、その共通の敵というのが、見た目は人間の形をしていますが、まるで人間の感情を持ち合わせていないモンスターとして描かれます。そのモンスターが夜の暗がりの中で横一列に並んで映るカーペンター監督お馴染みのショットが恐ろしくもかっこいいですね。
このモンスター達は死を恐れていません。彼等を突き動かす要因が何なのか?怒りなのか、それよりもっと根源的な得体の知れない何かなのか、はっきりとは提示されませんが、人間性の喪失から生まれる争いや惨劇は現実でも度々起こっているので、いつこういう事が身近で起こっても不思議ではありませんね。
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