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レス・ザン・ゼロのはたのレビュー・感想・評価

レス・ザン・ゼロ(1987年製作の映画)
2.5
原作者のエリスンはこの映画を観て「オチが原作と違う!」と立腹した模様。おそらく、この映画はニューヨークを舞台にしたあるもう一つの青春映画を参考にしている。それは、「ミーン・ストリート」だ。

「ミーン・ストリート」の主人公はチャーリー。彼はジョニーというチンピラっぽい友人に振り回されつつも彼をまともな方向へ更生させようと努力している。「レスザンゼロ」ではチャーリーがクレイ、ジョニーがジュリアンだ。

「ミーン・ストリート」の場合、NYが舞台とはいえ登場人物は皆アウトローばかりなので、何をやらかすかわからない緊張感が漂っている。しかし、「レス・ザン・ゼロ」はLAのボンボンの子供たちが登場人物なので、「less than zero(ゼロ以下)」と言われても金遣い荒いだけじゃんと思わずにはいられない。ジュリアンはボンボンらしく追い詰められていく状況に対しても無抵抗でそれに応じていくので、物語の筋として面白くなりにくい。この映画が一定の評価を得ているのはダウニーJRのジャンキー演技が(本人が依存症だった元もあって)生々しすぎるからというだけである。
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