記憶はおぼろげながらも、殺人を犯したと思った女性の姿を描いたサスペンス作品。
フリッツ・ラング監督らしいスタイリッシュで小気味良い演出。
ウィットに富んだセリフによって綴られるミステリーの佳作。
ラストまで終始おしゃれでかっこいい。
謎解き部分はある種禁じ手の一つではあるが、それまでのキャラクター描写が丁寧でドラマ性が高いので、ミステリー要素の残念度はあまり気にならない。
アン・バクスターは『イヴの総て』とはまた違った魅力を出しているし、『3人の妻への手紙』が素晴らしかったアン・サザーンもさすがの魅力。
ナット・キング・コールのシーンは少し贅沢な気分にさせてくれる。