‶地球は買われた”
1999年にシアトルで実際に起こった暴動事件を取り上げた社会派群像劇。実話ベースだけど登場人物たちは架空だそうな。
WTOの国際会議を間近に控えたシアトル。WTO反対派の人々がデモ活動を開始。デモは平和的に行われるはずだったため、市長も警察による武力行使をしないことを約束していた。しかし、興奮した一部の過激派が破壊活動を開始。市長は苦渋の決断を迫られる。
……という感じの流れを軸に、デモを取材に来た報道陣、暴動に巻き込まれた妊婦、その妊婦の夫で警官の男など、その場に居合わせた様々な人物の視点で事件を描く。
市長の焦りと苛立ち。本当に苦しい立場だったと思う。そんな複雑な心情の市長をレイ・リオッタが好演。
巻き添えを食ってしまう妊婦役はシャーリーズ・セロン。出番こそ少ないものの、印象に残る演技力はさすが。旦那役のウディ・ハレルソンも言わずもがな。
ほかにも、ミシェル・ロドリゲス、ジェニファー・カーペンター、チャニング・テイタム、コニー・ニールセン等と、キャストが豪華。
ドキュメンタリー風の作りで、ストーリーとしての面白さはあるとは言えないが、なかなかの衝撃作。
エンドクレジットの映像で、これが始まりに過ぎないということをまざまざと見せつけられる。