ペコリンゴ

ザ・リッパーのペコリンゴのレビュー・感想・評価

ザ・リッパー(1982年製作の映画)
3.7
記録。
戦慄のアヒル声。

マスター・オブ・ゴアことルチオ・フルチがNYに蔓延る猟奇殺人を描いたジャッロ。脚本には前年に『食人族』を手掛けたジャンフランコ・クレリチが名を連ねる。

邦題で『フロム・ヘル』みたいな切り裂きジャックの話かと勘違いしたんだけど、英題見たらちゃんと”New York”って書いてあったわ(笑) ということでジャック・ザ・リッパーの映画ではないのであしからず。

NYで相次いで発生する、女性ばかりを狙った殺人事件。市警のウィリアムズ刑事は異常者の犯行であると見て心理学者のデイヴィス博士に協力を要請し、事件の解決に挑む…という内容。

それなりに牽引力のあるストーリーではあるものの、あまり上手いとはいえないミスリードや取ってつけたような展開は褒められたものではなく、ミステリーとしては三流もいい所。

とはいえ劇場公開時に物議を醸したらしいエログロ描写は今見ても中々のもの。そこかしこに性の匂いが充満する退廃的な舞台設定や、サディスティックに殺されてゆく被害者たちに好奇心をくすぐられてしまうのは確か。

総合的にこの手のジャンルものとしては割と良作なのでは?と思いました。