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40のesのレビュー・感想・評価

40(2009年製作の映画)
3.7
中々に面白いプロット。
証言ドキュメント的な流れで一つのバッグに関わった3人の生い立ちや近況を知らされていく。
地震(天災)により人々の手を渡る1000€の束が40組の4万€が入った試練のバッグ。

40という数字は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教などで頻繁に出てくる数字。ノアの方舟の話に出てくる大量の雨が降り続いた日数であり、モーセがエジプトを出て約束の地に着くまでの年数であり、モーセやイエスが断食した日数であり、復活後のイエスが昇天するまでの日数でもあり、ムハンマドが啓示を受けた歳でもある。

作中の人間は誰一人試練に打ち勝てなかった。
イスタンブールという街はかつて観光で行った事があるが、観光客にとっては素朴で暖かみのある内陸部の観光地(スリはほぼ無く、日本語が堪能な商売人が多い)と違って、都会的で文化の入り混じるヨーロッパ色の強い街(スリも多い)という印象だったので、あそこまで廃墟のようなスラム街があるとは思わなかった。
映画は軽い観光だけでは味わえない一面を観る機会を与えてくれるので面白い。それと同時に映画が映し出す世界が全てでは無い事を忘れないようにしたい。
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