takanoひねもすのたり

スモールタウン マーダー ソングズのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

3.4
殺人事件を通した、あるおっさんのアンガーマネジメント習得までのお話(意訳)

カナダのどっか田舎町。
湖畔にて全裸にされた身元不明の女性の死体が発見される。
地元の警察は派遣されてきた刑事と共に捜査にあたるが…。

主人公で田舎町の署長ウォルター(ピーターストーメア)視点でお話は展開します。
彼は過去に暴力的な傾向があったものの回心し最近洗礼を受け教会の信徒になり心穏やかであれ…と過ごしていた矢先のこの事件。

捜査上に浮かぶのは、ウォルターが以前に暴力かました過去と関連が深いある女性リタとその今彼。

そんな裏事情があり、顔は穏やかな仏の表情を浮かべつつ鬱々と苦悩するおっさんを叙情的に描いたミステリー+スリラー…かな?
叙情的おっさん…つまり地味地味展開。
犯人捜査の派手さや妙は無いです。

おっさんの苦悩で地味展開…なんですが、妙に惹き込まれるのはピーターストーメアの仏の表情の妙さと陰鬱な映像の美しさ、そんでもってサントラの力強さです。

ゴスペル音楽?
カニエウェストとかサンプリングで使いそうな曲が効果的に使われていて、地味な絵面にバーンって流れるとハレルーヤ!って気分になります。脳にパカーンときて気持ち良くて。

章立てで、タイトルに聖書が引用されていたり、また見方によっては主人公の信仰心の強さを揺るがす何かに耐える試練の話でもあり。

宗教的なテーマが多分あると思いますが、主語がおっさんで終始しているので、難しいこと考ずさらっと観れます。
あと陰鬱ながらも映像がとてもきれい。

この映画の場合は信仰による怒りのコントロールが肝でしたが、数年前に仕事で本当にぷんぷんしててメンタルが尖りきり何とかしようと縋るようにアンガーマネジメント受講した時のことが蘇りました。
当時は怒りのコントロールを何とかしたかったんですよね…受講内容を遡って思い出す破目になりましたw

メモ的に。
音楽はBruce Peninsula。
https://youtu.be/EzOzdWOE7n8