豚肉丸

ホワイト・アイズ/隠れた狂気の豚肉丸のレビュー・感想・評価

4.2
女性を狙った連続殺人事件が起きる。警察は音響機械を扱うポールという男を容疑者と見て捜査する一方で、ポールの妻もまた、彼が浮気してるのではないかと疑い始めて...というお話

とんでもない映画。
ジャッロとサイコサスペンスを掛け合わせたような感じで物語は進んでいく。殺害場面はジャッロのように犯人の姿を映さずに主観視点などで映され、創意工夫が施された殺害が描かれる。特に印象に残ったのが、お風呂場の湯に沈めながら溺れる自分の顔が見られるように鏡を持ってきて溺れる自分の姿を見せながらゆっくりと死んでいく...という場面。なかなか悪趣味。
しかし殺害場面以外はあまり光るものは無い。事件と浮気の物語が同時並行で進行し、段々とポールという男のこれまで見えなかった一面が顕になっていく物語は面白いが、それにしてもテンポ感が悪く退屈感を覚えたし、様々なストーリーラインが過去の時系列も織り交ぜながら進んでいくため分かりづらさも感じた。だから「お話は面白いけど...星3辺りかなぁ...」と思いながら見ていたのだが、ラスト20分で映画はとんでもない加速力を見せた。

ラスト20分はこれまでの退屈さは何処へ言ったのかと思う程爆発力が物凄い。(文字通り爆発力が物凄い)
映画の要所要所で見られた「なんかおかしいんだよな...」と感じる部分がここにきて本領発揮される。彼のぶっ飛び具合も凄いし、『アングスト』と通じるようなカメラワークが見られるのも面白い。

決して面白い映画では無いのだが、見る価値は確かにある。ジャッロ映画かと思いきやまさかのトンデモ映画で滅茶苦茶気に入った。大好き。
豚肉丸

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