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父の肖像のあのレビュー・感想・評価

父の肖像(1970年製作の映画)
3.9
粗暴な父を乗り越え、兄妹、そして自分の家庭までもを作り上げ、自信満々に迎えた老後で、今度は自分の父親としての自負が祟って息子と対立することになる...。これは断ち切れない父子の呪いの話だと思いました。そして、survivorとしてジーンの頭に残ったのが"I never sang for my father”、子供の頃、父の前では頑なにピアノを弾いて歌ってやらなかったことで、父を暗に疎外していたこと?だったのが意味深でした。憎しみのために、父の気苦労や気持ちを受け止められない家族の実像がうまく込められたタイトル、ストーリーテリングでした。
本作は、意味のわからないタイミングで手持ちに変えて画面がガタガタになるところ以外は、特に問題のあるところはなかったと思いますし、なんなら親子の対話の生々しさは、「普通の人々」なども凌いでいたように思いますし、さらに老人ホーム見学のシーンは淡々とした恐ろしさがあってよかったと思うのですが、なぜか日本ではdvd化されておらず、vhsすらほとんど出回っていません。結局気になって英語で見てしまい、内容が所々つかめていないように思うので、いつか字幕付きで見てみたいです。まあつべこべ言わず自分で英語をもっと勉強すればいい話なんですけどね...。
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