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父の肖像のghostboatのレビュー・感想・評価

父の肖像(1970年製作の映画)
4.0
わたしもみました。こわい。老いに対するプライドの扱いは自身にとっても息子にとっても人生最大の難問か。ジーン・ハックマン演じる息子が「長生きだけはしたくない」とぼやく台詞が本作の主題を代弁してる。特筆すべきは父親を入れるための老人ホームを下見しにいくシーン。ワイズマンのドキュメンタリーのごとく入居者たちの生活を生々しく切り取り、その間に父親の顔を何度もフラッシュバックさせるというモンタージュ演出が薄気味悪くほとんどホラーになってる。エンディングにおける静止画+ナレーションの演出も『ラ・ジュテ』のような世紀末感があって怖かった。タイミング的にも唐突すぎるから余計に怖い。70年代の映画を想起させる色濃い画調も◎。ベッドシーンの引きのショットなんかとくに気合入ってる。「Life always ends incomplete.(←mubiのシネフィル感想が秀逸だったので引用。)」
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