エロチックコメディ分類ぽい雰囲気で製作された上、シナリオは後付け風に思えた。

戦時中設定だからか、とりあえずジョークにパンチが無いわざとらしさは「失笑を誘う方のロースト系激フリ特化」して見事にスベっている（ターザンキャラ引用の虚しさ残る）

英大衆紙デイリー・ミラーで1932～1959に連載されていた、大人向けの少しエロティックなコメディ漫画「Jane」の映画化…らしい。
原作はWW2をまたいで連載されていた為か兵士達の間でも人気があり、ミリタリーコミック的な側面も兼ねていたようで、相棒のダックスフント、フリッツは勿論、友人の大佐や、宿敵でナチスの高官ローラ・パゴラなども映画同様登場する冒険物だったようだ。ちょっとエッチなタンタンの冒険みたいな感じだろうか？
何かの拍子にすぐ服が脱げて、下着姿になってしまうという設定で、映画の中でもまいっちんぐマチコ先生でもあり得ないようなシチュエーションで服が裂けて3～4回下着姿を披露していた。だからセクシーかというと、うーん…。義務感のようなお色気で、クソ真面目なだけ。お色気もコメディもことごとくスベり倒しているのがしんどい。

時は第二次大戦中。アフリカ奥地にある伝説の地、ロスト・シティに隠されているとされる稀少なダイヤモンドをナチスが奪おうとしている事を知った英首相ウィンストン・チャーチルは、これを防ぐ為にジェーンと大佐を暗黒大陸アフリカに派遣する。道中知り合ったジャングル・ジャックの助けを借りつつ、危険な動物や原住民の住むジャングルを冒険。
一方、ジェーンの宿敵であるナチス高官、ローラ・パゴラもダイヤモンド探索の為アフリカに来ており、邪魔なジェーン達の暗殺を目論む。果たして伝説の都市とダイヤモンドは見つかるのか…という話。

要はインディ・ジョーンズの影響で1980年代に量産された「お宝探し冒険物」の一つである。劣化キング・ソロモンの秘宝。
アクションとしては非常に中途半端な物が多く、予算も大してなかったのだろうが、飛行機墜落のシーンは落ちる直前のシーンはカット、次の場面では浜辺を歩いている。滝に落ちる場面では接写で滝だけ映して次のカットでズブ濡れの状態で町に着いている、と一事が万事こんな調子で、「見せない」技法を駆使している。いや駆使している訳ではなく、単なる手抜きである。
話もぬるぬる進むので、冒険アクションなのにメリハリがなく、全くワクワクしない。不思議！

ナチスの暗殺者を演じたジャスパー・キャロットはイギリスでは有名なコメディアンらしいのだが、彼のスラップスティック・コメディが悲しいくらい面白くない。もっとも他のギャグも大した事ないので、彼だけのせいではない。
爆発で髪の毛がチリチリになって真っ黒に、みたいなドリフギャグと暑苦しいおっさん達のタンゴでちょっと笑ったくらい。

主役のジェーンを演じるカーステン・ヒューズは本作が初主演だったらしいが、演技がまーひどい。英語でここまで大根だと分かる人も珍しい。
フラッシュ・ゴードンのサム・J・ジョーンズもアホみたい。まあ登場人物全員アホなんだけど。

どうでもいいがfilmarksでは製作国：アメリカとなっているが、イギリスじゃね？

レンタルビデオで鑑賞。

ずいぶん昔に見たのでほとんど覚えてません。
ただ、この映画の製作ニュースを雑誌で読んだ時はジェーンが主役のターザン物で、ターザン役がサムジョーンズだってんでレンタルが出た時に見てみた。

レトロな雰囲気を意図的に出したメリハリのない冒険物でターザン物ではなかった。
コメディらしいが全然笑えないし、冒険物なのに全然ハラハラしない。

今ならきっとオクラ入りになるようなレベルの低さだった。