chiyo

東京のえくぼのchiyoのレビュー・感想・評価

東京のえくぼ(1952年製作の映画)
4.0
2023/3/11
とても可愛らしい1950年代初期のラブコメ。「最高殊勲夫人」の桃子姉さんの印象が強かった伸子演じる丹阿弥谷津子が初々しく、相手役となる社長演じる上原謙の天然なお坊ちゃまっぷりもハマリ役。特に後者は、ロイド眼鏡と口ひげが妙に似合っていて、ニヤニヤと笑っているだけで面白い。そして、世襲による大企業の社長の苦悩と、その企業で働く職工たちの現状。社長が身分を隠して平凡な一市民として暮らし、職工として働く社会勉強的な展開はありがちではあるものの、社長のちょっと抜けたところが微笑ましくて楽しかった。また、社長から伸子へのプロポーズがとにかく粋ですこぶる良い。なお、特別出演の高峰秀子は警官役で、冒頭・中盤・ラストと意外に出番は多い。面白い作品だと思ったら脚本が小国英雄、さすが。
chiyo

chiyo