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ロミーとミッシェルの場合のtakのレビュー・感想・評価

ロミーとミッシェルの場合(1997年製作の映画)
3.7
 LAで気ままな生活を送る仲良し二人組が、田舎の同窓会出席のためにサクセス・ストーリーをでっちあげる。しかし、そこで彼女たちは本来のあるべき自分に気づく。80年代ポップス満載の楽しい楽しいお気楽コメディ快作である。

自分のスタイルや主張をしっかり持つことがよいのだ!といういかにもハリウッド映画的なテーマなのだが、この映画にはとにかく爽快感がある。一度主人公たちを落ち込ませておいて、高校のいじめられっ子だったのが大逆転!というラスト。まるでカンフー映画の復讐劇を観ているかのようだ。ちょっと冴えないが一事に長けている人が成功を手にするお話。世の中にどこか引け目を感じている観客を、勇気づけてくれること必至。お気楽ヤンキーガールのお話なんだけど、そんな普遍性があるからこの映画を好む人が多いのだろう。僕も好きです、これ。

 劇中流れる80年代ポップスがとにかく楽しいし、選曲もうまい。リサ・クロードーが「高校時代のヒット曲でカセット作っといた」と、同窓会へ行く道中、ケニー・ロギンスの Footloose をガンガン流す。嘘の成功物語引っさげて同窓会へ向かう彼女たちが、”気ままにいこうゼ”ってな曲を歌う開き直り。キャリアウーマンに変身した彼女たちが聴くのはカルチャークラブの Karma Chameleon。LAのクラブの場面 Staying Alive で踊っている彼女たちは、冴えない生活してても踊っているときは”まだ生きてるゼ!”と感じていることだろう。

そして本来の自分に目覚めた彼女たちがバナナラマの Venus をバックに登場するところは、もう拍手もん。ヘリに乗ってパーティ会場を去る場面でベリンダ・カーライルの Heaven Is A Place On Earth なんて気が利いてるじゃない!。そして二度流れるのがシンディ・ローパーの Time After Time。「クラブ通いの成果が出たわね!」というダンスシーンは、クラシックバレエみたいなダンスで、ミスマッチ感に笑うしかない。エンドクレジット、ゴーゴーズの We Got The Beat までTVの前で盛り上がりっぱなし!。あぁー!踊りに行きたい!マハラジャが恋しい80年代青春組でございましたww
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