タマル

アウトフォックス 〜イラク戦争を導いたプロパガンダTV〜のタマルのレビュー・感想・評価

4.0
アメリカの大手報道番組”FOX”
その偏向と陰謀に満ちた内実に肉薄するドキュメンタリー映画。

以下、レビュー。


えー、近年は「マスゴミ」なんつー言葉が聞かれる様になりまして。私のような無知にはよーわからん話なんですが、何らかの原因で報道に対する不信感が積もってるみたいなんすな。
ただノンポリの私でも知っているキーワードが「偏向報道」って奴。最近だとニュース女子なんてのが話題になってなっとります。
とはいえ、別に私の人生とは全く関係ない話だったので大して興味がなかったのです。
で、今作はまさに上記した「偏向報道」についての映画。説教くさくてつまんねーだろーなー、と思っていたのですが……。

結論、すごく考えさせられる内容でスムーズに完走できました。
ドキュメンタリーのため、内容を言うと丸々ネタバレなのでここでは述べませんが、アメリカ独自のの政治体制とか選挙運動をあらかじめ頭に入れておいた方が楽しめるかも。例えば二大政党制とかネガティヴキャンペーンといった、好↔︎嫌 または 善↔︎悪 の構造に陥りやすいといった点です。そのシステムが”FOX”なんていうど偏向ニュース番組をテレビ業界のトップにまで押し上げたのだ、ということが今作を通して非常によくわかります。

そう考えると、日本はどうでしょう?
政党もたくさんあるし、他党叩きで押しの党の評価を相対的にあげるような偏向はメジャーでは見たことがありません。
もちろん、これは意識の高い人たちが中立性を訴え続けた功績だと思いますし、これからも客観的な視点を持つように働きかけていかなければならないと思いますが、ニュースの間口がネットの流布と共に格段に広くなった現代においては、現状の報道に対しては脅威を感じるほどではない、なーんてことを思いました。
ある一部の見解ではね(FOX式逃走)

私には10年早い映画だったけど、考える切り口を頂きました。オススメです。
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