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プリズン・サバイブのkuuのレビュー・感想・評価

プリズン・サバイブ(2008年製作の映画)
3.3
『プリズンサバイブ』
原題 Felon.
製作年 2008年。上映時間 104分。
スティーブン・ドーフ、バル・キルマー、サム・シェパードらが共演するクライムアクション。
今作品はコーコラン州立刑務所での実際の残虐行為に基づいてるそうな。

家族と平凡で幸せな日々を送っていたウェイドだったが、ある晩、自宅に押し入った強盗を誤って殺害してしまい、過剰防衛の罪で刑務所に入れられてしまう。
そんなウェイドを待ち受けていたのは、凶悪犯たちによる制裁や看守たちの嫌がらせだった。始めは耐え忍んでいたウェイドだったが、とうとう怒りが爆発する。。。

今作品は、『嗚呼、なんちゅう悪い時に、なんちゅう悪い場所にいた』
なんて表現がぴたりの理由で刑務所にブチ込まれることになった野郎が、理解はできるが、非常に残念な行動をとるちゅう道徳的な映画でした。
今作品のほとんどはアメリカの刑事施設での出来事で、事実に基づいてる云々は、それが正しいかどうかを判断するのに十分な知識を持っていませんが、国によって、刑務所によって、あるいは刑務所の一部によって違うんやろけど、米国の刑事施設に関する映画やドキュメンタリーを見る限り、そないに間違い遠くはないのやろとは思う。もし、小生がそないな刑務所にブチ込まれたら、1日ももたへんやろな。
ミスや汚職、あるいはグレーゾーンのためにペナルティーを課され、厳しく裁かれる人たちに本当に同情はするし、キャラの多くは、思ったほど悪いものではありませんでした。
誰が何のために悪いのか、ちゅうことにあまり深く立ち入ることなく、
『囚人によって社会を判断することができる』
ちゅうド・ドドストエフスキー(吃音になる)の言葉を引用したくなった。

作中『2008年、アメリカの刑務所には230万人がいる』って云うような言葉で締めくくられているように、映画製作者は明らかにこの問題を取り上げたかったんやろな。
この中の一部が不当に収容されていると思うとぞっとする。(おそらく数万人でしょう)。
ストーリーに関しては、本当に一見の価値あり。
演技も巧みで、特にヴァル・キルマーはほとんど見覚えがないんやけど、善き演技をしていました。
今作品について、こないなジャンルの中で書くなら、悪いことは何も思いつきません。
人が偶然の一致で、一瞬にして人生を台無しにされるのはとても悲しいこと。
映画はうまく終わるし、ぐっすり眠ることができるが、これはあくまでも映画。
今作品のような状況(気になったら是非視聴を)に陥った人の多くは、現場を知らず、あの世界での戦い方を知らず、もしそうなったとしても、二度と元には戻れない。
アメリカだけにかかわらず多くの国の刑罰制度は、人を社会復帰させるために作られているのではないと、書物などの知識で感じる。
それどころか、人を犯罪者にしてしまう犯罪者養成所と化してるのをどうにかメスを入れれんもんなんかなぁなんて思えた作品でした。
耳学問で回りからの知識の上でですが、リアルな設定です。
また、実際に匂いを嗅ぐことができた。
恐怖と攻撃と汗とオナラとオシッコとウンチと精液と、その他もろもろ実際に匂いを嗅ぐことができた(つもりではいるが実際はもっとやろな)。
実際の受刑者のほとんどの人は衛生的な基準を保っているし、そうしようとしているとは思う。
ただ、自分の汚物の中に横たわって、年に一度くらいはシャッフルしてホースで洗い流すような今作品に出てくるような人もいるんやろな。
行きたくもない場所です。
ただ、半日体験ならとは興味本位と、人生の教訓とか、国家の力とか、そういうことでなくとも、精神力をつけて、ちゃんとしたコーヒーに感謝するためにアリとは思うが、今作品のようなムショなら1分も望まないかな、そう云う意味では法律は確り守ろうちゅう教訓に個人的にはなったかな。
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