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ロザリー・残酷な美少女のhorahukiのレビュー・感想・評価

ロザリー・残酷な美少女(1972年製作の映画)
3.5
周りに何もない田舎道でヒッチハイクしてた少女を拾ったセールスマンの主人公。父母が死んだため会ったことない祖父の家に行く途中だと言う少女だが、いざ家に着くと初めて来るはずなのに物知った様子。しかも祖父の気配どころか周りには人家1つない。怪しみ出す主人公だが、少女に足の骨を折られ動けなくなり…という話。

これ『ミザリー』とめっちゃ似てますね。
ジャケにもそんなこと書いてあったんですけど、よくある煽り文だろうと思ってたら本当にそっくりでした(笑)タイトルも似てますしね〜。
『ミザリー』の原作小説が1987年発表で、本作が1972年なので、もしかしたらある程度影響与えてるのかもしれません。というより、似すぎてて正直パクリって言ってもいいレベル…キング…(^_^;)

話が全く噛み合わない恐怖。猿でもわかるように論理立ててどうすべきなのか話しても、独自のトンデモ理論で話をすり替え勝手に怒るロザリー。生きてきた土台や環境が違いすぎる故のズレ。平行線のままベクトルが合うことがない不毛な口論の末の不条理な敵意が胸糞です。

でもこの作品は、悪者を他に設定したことが大きな違いですね。中盤からはそいつの脅威からいかにして身を守るかという考えを練る主人公が描かれます。でもロザリーには全く危機意識がない上に、独自理論で主人公を責めてくる。自分の命を頭のおかしい人に握られている恐怖という点では『ミザリー』と同じなんですけど『ミザリー』がアニーに殺されるという直接的な恐怖を描いているのに対し、こちらは、話が通じない相手と協力して脅威に対処しなければならないことへの間接的な恐怖って感じですね。そして、最後の一言のインパクトも凄い! なかなか面白かったです!
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