ベビーパウダー山崎

いくつもの朝を迎えてのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

いくつもの朝を迎えて(1989年製作の映画)
3.5
離婚をテーマにしたラブロマンスみたいな触れ込みだったが、実際見てみると再婚した男と女の恋愛だけではなく突然新しい父親が現れて戸惑う子供たちの問題含めて家族関係の再構築を描いたしっとりとしたドラマだった。今作はドラマで勝負しているアラン・J・パクラ、ふいに過去がフラッシュバックしたり、映像の色味に変化をつけたりとお得意のミステリー的なリズムは健在(それが正しいのかはわかりませんが…)。彼、彼女らの住まい、それぞれの人生を生きる個が家族という名の元に集まる場所としての「家」が主役であるようにも見えて、新たな家族を築き始めたジェフ・ブリッジス一家がこれまでの我が家を捨て新居への引っ越しで映画が終わるのは、これからの人生を見据えての前向きな一歩であり、物語の閉じ方としてはなかなか美しいのではないかと思ったりした。アリス・クリーグの子がドリュー・バリモアとルーカス・ハース、ジェフ・ブリッジスの息子がマコーレー・カルキン。結構豪華。