爆裂BOX

パラサイト・クイーンの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

パラサイト・クイーン(2009年製作の映画)
3.2
ニューイングランド州の美しい島で、バイオ科学っで生み出された寄生虫が変異し大惨事が発生する。20年後、惨事で母を亡くしたジェイミーは、資産売却のため忌まわしい記憶が残る島を訪れるが…というストーリー。
離島を舞台に寄生虫の恐怖を描いたパニック・ホラーです。
真珠養殖を地場産業とする島で、完璧な真珠を作り出すバイオ科学を研究中えた寄生虫を人間の体内に入れると飛躍的に身体能力が向上することが分り、有能な科学者が集結し研究するも、変異した寄生虫に支配され大惨事が発生。20年後、研究者だった母を惨事で亡くしたジェイミーが恋人や義理の弟、女友達と資産売却の為島を訪れると再び寄生生物による支配がはじまるという内容です。
とにかく登場する寄生虫が気持ち悪くて良いですね。CGで表現されていて少しチープさがありますが、それが却って気持ち悪さを生み出してます。「スリザー」みたいなナメクジ型から糸ミミズみたいなタイプ、口から出てくる蛇みたいなタイプにチラッとしか映らないちょっとサイズ大きめの毛虫みたいなタイプまでサイズや種類多めなのは面白いですね。この寄生虫が皮膚に潜り込んで皮膚の下をはいずったり、目や皮膚からニョロニョロ顔出す所もかなり気持ち悪いです。弱点が塩という所はまんまナメクジですが、塩水浴びたり海に入った感染者の体も溶けてしまいます。
寄生されると身体能力が向上する代わりにだんだんと凶暴化していきますが、寄生されたジェイミーの病弱で陰キャタイプな義理の弟が身体能力アップして酒場で絡んできた男達簡単にのしてタフガイになってモテるけどドンドン変容していく所はちょっと「ザ・フライ」意識した感じでしたね。喉引き裂かれたり腕もぎ取られたりゴア描写はちょこっとだけあります。
森の中でジェイミーたちの様子を窺う黒フードの人物の正体は簡単に予測付きました。中々のマッドサイエンティストだったけどアッサリ倒されたな。
海で囲まれてるから島から出られず、最初の惨事から20年たってる割には規制されてない人が多いのは疑問でしたね。作中の感染スピードみるととっくにみんな寄生されてないとおかしい気がするけど…
ベテラン俳優リチャード・リールは黒幕か悪役だと思ったらどっちでもなかったのは意外でした。ブライアン・クラウス演じるジェイミーの恋人は全然役に立たずアッサリ退場しちゃったなぁ。
病院と思われる所がパニックになってたり、対策を練ろうとする人達がちょっと描かれた割に、終盤はジェイミーの回りだけで終わって後の島の人たちがどうなったか描かれずじまいなのは消化不良に感じました。
島を脱出した後感染に気付いたジェイミーの決断はちょっとカッコよかったかな。エンドロールの後の置き去りにされて砂浜に座り込む彼の姿もちょっと悲哀感じさせます。
義理の弟男といつもからかうけど彼が好きなジェイミーの女友達がいきなり「南妙法蓮華経」と言い出したのはちょっとビックリ。
ジャケットの触手生やした金髪全裸美女は当然登場しませんが、「スピーシーズ」的な期待しなければ寄生虫の映像は結構キモいのでそこそこ楽しめる作品ではないでしょうか。