茜

ブレイン・スナッチャー/恐怖の洗脳生物の茜のレビュー・感想・評価

4.3
これ面白い!
気持ちいいくらい展開が早くてスピーディーだし、お話にも無駄がないし、何よりエイリアンの造形がとっても良く出来てる。
ボディ・スナッチャーとごっちゃになりがちだったけど(同じ俳優さん出てるしね)、自分は断然こっちの方が好き。

アイオワ州の田舎町に墜落した未確認飛行物体。
科学情報局の面々が現場に向かうが、その町の住民達に奇妙な違和感をおぼえる。
先にも書いたように、まぁ展開が早いのなんの。
この町おかしいぞ?からの、コイツら寄生されてる!エイリアン登場!っていう流れが実にスピーディー。
主人公達がエイリアンを科学情報局に持ち帰る際の軽いアクションシーンなんかビックリするくらい手際良くて笑っちゃったよ。

エイリアンは人間の背中に張り付いて、首の後ろから脳に向かって細い触手を刺す事で人間を乗っ取り操る。
このエイリアンがどことなくエイに似ているような、体の模様は爬虫類のような…なかなか気持ち悪くて良いデザイン。
細い触手も鞭みたいにビシッ!と俊敏に動くし、この触手を物に巻き付ける事で自由自在に移動するもんだから、単体でも充分強そう。
オマケに知能も高いときたもんで、人間相手に戦略的な頭脳戦を仕掛けてくるところがボディ・スナッチャーと違って面白い。
相手を騙したり煽るような発言をしてみたり、人間側の作戦を欺くような知恵を使って戦ってみたりと、常に緊迫感があって楽しかった。

あと俳優陣の演技が上手いのも高ポイント!
局長役のドナルド・サザーランドも渋いおじさまって感じで、常に冷静に対処していく姿がすごくかっこいい。
何より良かったのが局長の息子役のエリック・タールで、この人に寄生したエイリアンに目的を吐かせるため電気ショック拷問をするんだけど、その時に寄生された人格と自分の人格が交互に出て来るっていう演技が超上手い。
電気ショックを与えると寄生力が弱まって自分の人格が戻る、でもショックが終わると再びエイリアンの人格に戻る、っていう時の表情の切り替えとかすげーって思った。

スナッチャー物の中に局長と息子の確執ドラマが織り交ぜてあるところも面白いし、それがスナッチャー面と上手にマッチしてて全然邪魔じゃない。
(息子とヒロインのラブストーリーは、ヒロインがあまり好みじゃなかったので特段そそられず…)
パニックやホラーによくある「まだ終わってないぞ」的な含みを持たせるエンディング演出もなく、スパッと爽快に終わるところも好印象。
サブスク配信してるけど、これが未DVD化っていうのは勿体ないな~。
茜