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最後の愛人のmiporingoのレビュー・感想・評価

最後の愛人(2007年製作の映画)
3.2
1830年代のフランスが舞台。前半は、これから貴婦人と結婚しようという美青年が、パリ社交界で醜聞であった愛人との10年にも及ぶ関係と別れる覚悟を新婦の祖母に語るという形で話が進む。結婚後は、その愛人と物理的に距離を置くためにパリから出て海辺のお城に居を構えるが、かの愛人が追いかけてきて近くに住み着いてしまう。揺れる男の心と身体。情熱的で破滅的な愛人と、純粋ではあるが気位の高い新婦のゆく末は…。という映画。主役の俳優さんの美しさが尋常じゃなく、女優さんたちよりもきれいで、これでは女たちも平常心ではいられないでしょう。結婚式の時の神父の説教がこれでもかというほど男女差別に満ちていて、フランスもかつてはこうだったのねと思ってしまうのだけど、情熱的な愛人にとってはそのような価値観など全く縁のないものという感じ。主人公は愛していたはずの妻を公然と蔑ろにするのはあっという間だったし、「愛などなかった」と言っていたのに愛人とは離れられないのを見ると、彼にとって(男にとって?)愛とは何なのか、ちょっと考えさせられてしまうな。
そして夫の不貞を知った時、「お願いだからもうあの女とは会わないで」とは言えない気位の高い妻。それを言えたなら、状況は変わっていたかもしれないのに。それでも離婚は出来ないのね、きっとカトリックだから。そういう時代。
官能的な映画だけど、監督が女性というのがいいですね。ベッドシーンも好きでした。
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