だった

魅せられてのだったのレビュー・感想・評価

魅せられて(1949年製作の映画)
4.5
大傑作。
邸宅の圧倒的な広さと奥行きに対比される診療所の狭さ。大階段のある広間は言わずもがな、手の塞がった召使が尻で開けた扉の先にひろがるレオノラの寝室も圧巻のでかさ。

圧倒的な奥行きと陰影で画面を支配するロバート・ライアンに対してちゃんと愛を追いかけるジェイムズ・メイソン。これでもかと部屋を貫通することで、半ば暇を出したレオノラへの憤慨が後悔、下手すると愛の芽生えに変わる激しい感情の移行をたった一度の横移動で成立させている。徹夜の労いで上着をプレゼントする廊下の縦構図など、画を抜群に決めたまま人物を流麗にフォローする完璧な撮影のために徹底して、フレームを意識してセットや美術も組まれている。
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