爆裂BOX

蝿男の逆襲の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

蝿男の逆襲(1959年製作の映画)
3.5
蝿男になってしまった科学者アンドレの息子フィリップは、母の死後、父の研究を続行しようと決意。伯父フランソワと親友アンドレの協力を得て別荘の地下室で物質転送機の開発を行うが…というストーリー。
「蝿男の恐怖」の続編で、前作でフランソワを演じたヴィンセント・プライスが同役で続投。前作はカラーでしたが、今回は予算の関係かモノクロになっています。
転送機の開発が大詰めを迎えた時、アランが研究の横取りを企んでいることが発覚。格闘の末、気絶させられたフィリップは蝿と共に転送機に入れられ、父と同じく蝿男になってしまうという内容です。
前作では幼い少年だったフィリップですが、今作では青年に成長しています。母の死後、伯父フランソワから父の死の真相を聞かされ、フランソワの反対を押し切って父の研究を継いで完成させようとします。若いからか思慮に欠ける行動が目立って、研究の資金が尽きたから反対するフランソワの会社の株半分持ってるのをいいことに、資金出して協力してくれないと他者に売り渡すと脅して協力させたりします。父の死の真相効いたからか蝿を極度に恐れるようにもなります。
前作では自ら実験台になって蝿男になりましたが、今回は悪人の助手兼親友によって蝿男にされるので前作より自業自得感は減ったかな。まあ、フランソワの反対押し切った結果こうなったから自業自得と言えば自業自得だけど。
前半の大半はフィリップが装置を修理してアランやフランソワと共に研究に打ち込む所が描かれますが、アランを追っていた刑事がモルモットと一緒に転送されて、手と足がモルモットと入れ替わったモルモット人間になったりします。モルモットの方も小さな人間の手がついてますが、踏みつぶされる時に通常サイズの人間の手になってたのは特撮技術の限界か(ここで本当にモルモット踏みつぶしてたのはギョッとしました)
今回の蝿男は頭部が前作より大きくなってて、被り物が重いのか逃げる時フラフラしてます(笑)海外ではこっちのデザインの方が受けがいいのかフィギュアもこっちの方が出てますね。頭部が人間になった人間蝿も出てきますが、前作と比べると…
後半は蝿男になってしまったフィリップの復讐劇になりますが、尺の都合か結構アッサリ復讐成し遂げます。前作の後半では人間蝿探しもメインで描かれてたけど、今回は実験室から移動して無くてアッサリ確保します。
フィリップの幼馴染の恋人がヒロインとして出てきますが、蝿男になったフィリップ見て悲鳴上げて怯えるだけで、前作の様に助ける為に行動したりしなくて出番も多くないので影薄かったですね。
ヴィンセント・プライス演じるフランソワは今回も主役級の立ち位置で、我が子のように思うフィリップの事思って研究に反対したのに、フィリップに株売ると脅されて研究に協力させられたり、逃げるアラン止めようとして腹撃たれたり、蝿男になったフィリップ見てガックリうなだれたり不憫すぎる役回り。重傷の身を押して蝿男になったフィリップ救おうとしたりヒロインの役割でもあるかな。
今回は前作と違って結構アッサリハッピーエンドになりますが、文芸映画色やラブストーリー色強かった前作より娯楽色を追求した結果でしょうか。前作のラストのようなインパクトや衝撃はないですね。
前作よりサスペンス色強めで、前作とは違った娯楽作として楽しめる作品だと思います。